【数学】整数問題の解法と罠 part3
そろそろ整数問題を考えるのにも疲れてきたしぃです。
まだpart1,2を読んでないよーという方は是非そちらから読んで貰えると有り難いです!
では、今回は問題から入ります。かなり難しいと思うので、問題の少し下にヒントとなる誘導をつけました。(というか入試レベルではほぼ誘導が有るはず)
問題
f(m,n)=m²+4n²+4mn-5m-9n+8
とおく。
f(m,n)が平方数(整数の二乗)となるような正の整数の組(m,n)をすべて求めよ.
誘導
p,q を0以上の整数とする。
p²+q+1
が平方数となるとき、不等式
2p ≦ q
を満たすことを示せ。
3.不等式で挟む
これが今回のテーマです。
それではまず誘導の解説です。
【解説】
平方数はとびとびの値をとることを利用します!
まずは誘導から。
q+1 ≧ 1 , p ≧ 0
であり、p² は平方数だから、
p²+q+1 が平方数となるとき
(p+1)² ≦ p²+q+1
2p ≦ q
もうお分かりだとは思いますが、本問はこの誘導に乗って、
(非負の整数)² +(正の1次以下の整式)
の形に与式を変形します。
f(m,n)=(m+2n-3)²+m+3n-1
と変形できるから、
m+2n-3≧0 , m+3n-1 ≧ 3 より、
(m+2n-3+1)² ≦ (m+2n-3)² +m+3n-1
2(m+2n-3)+1² ≦ m+3n-1
m+n ≦ 4 ... ①
よって、整数組(m,n)について
(1,1),(1,2),(1,3),(2,1),(2,2),(3,1)
を調べればよい.
f(m,1)=m²-m+3 より、
f(1,1)=3
f(2,1)=5
f(3,1)=9
f(m,2)=m²+3m+6 より、
f(1,2)=10
f(2,2)=16
f(m,3)=m²+7+17 より、
f(1,3)=25
以上より、求める整数の組は
(m,n)=(1,3),(2,2),(3,1)
【ポイント】
繰り返しになりますが、やはり不等式で挟むということです。
1番多いのは、この問題と同様に平方数で不等式を作ってあげる方法ですね。
このようにして解く整数問題は多くはないですが、知っておいて損はないと思います。
(数学オリンピックでは頻出?)
この問題のように不等式評価一発で決まる問題に限らず、整数がとびとびの値をとることを利用して値の候補を絞ったり、対称式で値の大小を決めておく手法もよく使いますね。
例えば、この有名問題。
を満たす正の整数の組(x,y,z)を求めよ.
という問題で、x≦y≦z とおけば、
3/x≧1 より 3≧x
といった感じで値を絞れます。
このように、不等式は整数問題の大きな武器となります。
以下その他の解法の紹介です。
4.ユークリッドの互除法
不定方程式で使う。教科書に載っているので割愛します。(でも重要。というか1番重要かも)
5.判別式
未知数が2つ以上の二次式なら、判別式を利用できます。整数はもちろん実数なので、
D≧0
を使えば別の未知数に関する不等式が得られます。
以上で整数問題の解説を終わりたいと思います。誰かの役に立てれば幸いです。そして私も整数はばっちり👌
……のはずだった。
そういえば、タイトルの「罠」にこれまで一切触れてませんでしたね。これだとただの数学サイトで終わってしまいますからねw
次回、整数問題の最大の罠に迫る!
是非読んでください!